季節のお手入れ

カトレヤ 1、2月の栽培管理

日照
日差しもまだ弱く、日照時間も短いこの季節は出来るだけ日に当てることが必要です。室内や温室の場合1月までは直射日光でも構いません。2月になると光線量は10月並みになってくるのでカーテンや寒冷紗で徐々に遮光が必要になってきます。20~30%の遮光が望まれます。

水やりと施肥
「乾いたらあげる」が原則ですが、最低温度が保てる栽培環境にある場合は鉢の表面が乾いたら水やり、最低温度が保てない場合は1日で乾く量の水やりが目安で暖かい朝に水やりを行います。寒い夜に水分が残って根が傷つくのを防ぐためです。今ひとつ、カトレヤは種類によって冬の水やりが異なります。以下参考ください。

秋~冬咲き種
すでに開花が終わっているか開花中です。これらの品種はすでに休眠期に入っており根の吸水活動も弱まっているので、水やりは1週間に1~2度コンポストの乾き具合で行います。当然肥料は根を傷めるだけなので行いません。

春咲き種
バルブは既に完成してシースに花芽が見えてくる時期です。水やりは3日に1度ぐらいの間隔でたっぷりとやります。葉水も良いでしょう。しかしシース近くに水が貯まると直射日光で蒸れてシース内のつぼみを黒く腐らせてしまうので気を付けます。肥料は秋冬咲き種同様にやりません。

初夏、夏咲き種
この種はこれから生育期を迎えます。室内や温室内の設定温度が最低15度以上を保てると旺盛に伸び始めているものも少なくありません。この種は最低温度が保てないと栽培は少し困難と言えます。
栽培環境によって異なりますが、リード(新芽)が動き出す株は成長期に入ったと考えコンポストの乾き具合を見ながら2~3日に1回水やりを行います。温度が15度以上保て、リードが勢い良く伸びるようでしたら液肥を与えます。そうでない場合は水やりのみとします。

湿度
冬は空気が1年で一番乾燥する時期ですし、暖房によって更に乾き湿度不足が懸念されます。夏咲き種にとっては新芽を伸ばす大切な時期に湿度不足は致命傷です。特に夜間の乾燥は禁物です。夜間は加湿器を置くとか通路に散水するとか葉水するとか、室内の場合は夜だけ新聞紙を水に濡らして株を包み段ボール箱に入れるとか工夫して乾燥を防ぐことが非常に大切です。

通風
冬は室内か温室内での栽培管理となりますので、特に気をつけたいのが通風です。カトレヤに限らず一般にランは通風を非常に好みます。
また、この時期に室内や温室内で空気が動かない状態が続くと、いくら日照が弱いといっても葉の表面温度が想像以上に上昇しているため葉焼けを起こしてしまう恐れがあります。特に2月になると寒さとは正反対に日照が強くなり葉焼けが心配されます。時々窓を開けて換気するとか扇風機で室内を攪拌することが大切です。

病害虫対策
最低温度が保てる栽培環境では、特に花の時期のナメクジに注意します。せっかくの花が咲くときに食われてはこれまでの苦労が台無しになります。ナメクジは夜行性ですので夜間に寒中電灯で見つけて補殺します。花だけでなく根の先端の成長部分も食害を被り株の成長を妨げる厄介者です。
空気が乾燥してくると発生しやすいのがハダニとカイガラムシです。葉やバルブについて株の養分を吸い取り株を弱らせます。カトレヤのバルブを包む薄皮の中に大量発生することが多いので、薄皮が枯れてきたら剥がしてこまめに取り除くことです。発生が多くなると月1~2回の殺虫剤散布も良いでしょう。

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